こんにちは!
中学受験マガジン編集部です。
今回から始まるシリーズ「中学受験って何?」では
専門用語が多く複雑な中学受験をゼロからわかるように説明していきます。
私も東京で中学受験経験のある子の親ですが、ここではできるだけデータを元に塾では得られない情報を客観的に書いていく予定です。
例えばこんな人ならお役に立てると思います。
- 中学受験に興味がある人
- 中学受験の仕組みが難しすぎて簡単な解説が欲しかった人
- 塾なんかに聞きに行っても焦らされるばっかりなので事実を知りたい人
- お父さんあるあるの人→「中学受験など不要!オレは普通に成績よかった!高校までは公立!自ら考える力が大事!」
それではまずは初歩の初歩からですがおつきあいください。
シリーズが読み終わるころには相当理解できているかと思います。
第一回は「中学受験の進学率の今と昔」です。
「昔と今を比べるとの中学受験の過熱ぶりってすごくない?」と思った人は必見です。
中学受験って何?
中学受験とはその名の通り「小学生6年生」が中学校進学の際に「選抜試験を受ける事」です。
ご存じの通り中学は義務教育なので、自治体で決められた学区の学校に行く際は選抜試験はありません。
私も最初はなじみがなさ過ぎて、中学生の時にやる受験(高校受験)と混同してしまいました。
今や小学校受験や幼稚園受験(俗にまとめてお受験)などいろいろありますからね。
どれくらいの人が中学受験しているの?
受験率、その後の進学率の最新(2020年時点のまとめ)を以下の表に示します。
推定受験率 | 受験後の進学率
(私立小からの進学除く) |
|
---|---|---|
東京 | 25% | 20% |
首都圏 (一都5県) |
16% | 12% |
全国 | 10% | 7% |
※文部科学省の学校基本調査、日能研調査、首都圏模試センターなどの情報を元に総合的にまとめました。
東京、首都圏、地方の間でとてつもない格差が生まれています。
全国でみると受験するのは10人に1人。
東京で受験するのは4人に1人。
首都圏(一都5県)で受験するのは6人に1人の計算です。
※あくまで「中学受験」です。私立小からの進学は除いています。
注意点としては全国で10人に一人と言いましたがこれも首都圏などの2割のトップ層都道府県が数字を引き上げているので8割の都道府県では今でも20~40人に1人というのが現実のようです。
都内の地域によっては2人に1人近くが受験しているようです。
そして共通しているのが2~3割の人が受験したにもかかわらず進学していないという数字です。
(全落ちしたのかあえて地元の中学に進んだのかはわかりません)
「自分の住んでいる地域はどうなんだろう?」という方へ。
都道府県ごとの受験率という統計はどこも集計発表していないので
上記を参考には↓こちら↓の都道府県ごとの私立進学率を参考にするといいと思います。
都道府県別私立・国立進学率ランキング

昔は中学受験して進学なんてレアだったと思うけど?
例えば東京以外の30年前の地方なんかは「そういえば学年にいた100人~200人のうち数人が私立の中学校に進んだな」くらいの印象でしょう。
で、今は東京に住んで子育てしているとすると、急に「4人に1人が進学するらしいよ?」てな噂が入ってくるものですから
「30年前と全然ちがう!中学受験ヤバイ!」みたいなことになります。
そこまでに感じる理由としては保護者世代の移住よる印象のズレが原因となっていそうです。
まずは実際のデータを見て見ましょう。
受験の過熱を表すのに正確なデータとしては国や都が発表している私立進学率が参考になると思います。
その30年間の「私立中学進学率」の推移です。
私立中学進学率 | 全国 | 東京 |
約30年前 | 3% | 16% |
約20年前 | 5% | 23% |
約10年前 | 7% | 26% |
現在 | 7% | 25% |
※令和元年に発表された2018年までの学校基本調査と東京都の学校基本統計よりデータで集計(2020/5時点で最新)
ここからわかる事実としては
- 全体的には昔と比べて徐々に加熱している
- 昔から東京都と全国の受験率は格差はとてつもなく開いている。
この2点です。
【データについて補足】前項でもふれたとおり私立進学率と受験進学率は比例関係にあります。
(※国立・都立は割合的に人数が少ないため抜きました)
塾などのデータだと「入塾のためにとにかく焦らせる」のが常套手段のため、過熱していない都合の悪い期間のデータが抜けていたり、たった4,5年の受験の一部のデータの増減だけで表していたりと、なんだかんだで長期スパンで過熱ぶりを正確に表すの数字がまったく見つからなかったため、今回は独自にまとめてみました。
上記で触れた地方から東京にでてきて「中学受験ヤバイ!」ってなった人は、表の30年前の全国の進学率3%あたりから
東京の現在の25%のところにいきなり来たことになるのでそりゃヤバイってなりますよね。
これが異常な過熱ぶりに感じる理由です。
元々30年前からとてつもない差だったわけです。
さらに補足しますと
- 私立進学率は2008年のリーマンショック前のにピークを迎え、その後徐々に落ち込んでいった。
- 全国、東京ともにここ数年で進学率がV字回復してきているのは事実
最近の塾やメディアはここ数年の急上昇しているデータを切り取って煽っているようです。
実際は進学率はリーマンショック後に落ち込み、回復しつつあるもまだピーク時には届いていません。
あと1,2年でピーク時に戻りそう、といった具合です。
塾の説明会なんかにいくと、どこも初回はとにかくデータや制度の変更などで「不安と焦り」をあおってきますし、リーマンショック後の落ち込みなど絶対に見せてこないでしょう。
私は当時から違和感を感じていたものです。
そのあたりは塾やメディアに流され過ぎず、冷静にみることも必要です。
ただ、景気などで進学率や受験率は上がり下がりありつつも、30年という長期的にみると全国的にも中学受験熱は徐々に右肩上がりなのは事実といえそうです。
そして2020年、なにより気になるのはコロナショックの影響が気になる所であります。
もしリーマンショック以上の影響が経済的にあるのなら・・・
データが出たらまた別の記事でお知らせしますね。
今回の要点をまとめます。
- 東京、首都圏、地方の間で中学受験の進学率にとてつもない格差が生まれているのは昔から
- 都道府県別にみると格差が非常に大きく中学受験による進学率が高いといえるのは本当にごく一部の都道府県のみ
- 30年で見ると中学受験する人の割合は徐々にだが割合が増えているのは事実
- 全国でみると中学受験するのは10人に1人。東京で受験するのは4人に1人。
お読みいただきありがとうございました!
次の記事もよかったら読んでみてくださいね。
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